「テロ」と「戦争」
北オセチアの学校占拠事件、これまで何か書こうと思いつつ書けずにいました(04.09.11追記: この点yodaway2さんに近いかもしれません)。いや、今も直接このことに関して書けません。

愛のまぜご飯 (by heteheeteさん) 「テロと戦争」
日日光進 (by jinsei1さん)「オイオイッ!」
これらの記事にトラックバックして記事を書いています。愛のまぜご飯さんのコメントに書いたものをちょっと変えています。タイトルも愛のまぜご飯さんと同じですが、ちょっとだけ変えています。

昔は「テロ」という言葉は明白だったと思います。憎むべき犯罪でした。無関係な人の命の犠牲も厭わない卑怯な犯罪です。一方、「戦争」。これは「避けたいものではあるが、やむにやまれぬもの」というニュアンスがあります。さて、この時点で既に「テロ」は便利な言葉になっています。「テロ」というラベルがついたものは「悪」、「戦争」は理由があれば「義」、「正義」となります。

「テロ」は犯罪です。それも卑怯な犯罪です。絶対に阻止しなければなりません。そのためには人質に犠牲が出てもかまわないというのが国際的なコンセンサスでした。福田さんが「人命は地球より重い」といって、テロリストの要求をのんで犯罪者を解放したとき、日本は大きな批判にさらされることになりました。

「テロ」は犯罪です。「犯罪」に対しては「犯人」を見つけ出し、証拠を見つけ出し、裁判にかけないといけません。捜査の段階で、違法捜査があってはいけません。また、民間人に犠牲が出るような無茶なことはできません。正義のためだったら公正な手続きが必要になります。面倒くさいですね。不便ですね。

そこで便利な概念が発明されました。「テロに対する戦争」です。「戦争」は面倒な手続きは要りません。テロリストの近くに住んでいる無関係な人が巻き添えになってもかまいません。だって戦争なんですから。「無関係な人を巻き添えに」ってどこかで聞いたことがあったような... あ、「テロ」の定義のところでしたね。

相手に対して「テロ」のレッテルを貼りましょう。国際社会がみんな同情、支持してくれますよ。自分のやることは「(正義の)戦争」と言いましょう。戦争はやっぱり嫌だというところもありますが、支持してくれるところもありますよ。なにせ「正義」なんですから。日本の首相も「仮定の質問には答えられない」と言っていますが、大丈夫、始まったら容認してくれます。支持してくれます。支援してくれます。

さあ、声の大きいところは真似しましょう。ロシアさん? ああ、あなたのところはマスコミもあなたのいうとおり動いてくれるので、うまくいきますよ。うちだと批判を抑える雰囲気作りが大変なので、あなたのところがうらやましい。

途中から文体が変わってきた? 賢くなったって言っていただきたいですね。

[04.09.11 トラックバック追加しました]
Tomorrow's Way (by yodaway2さん) 「露学校人質事件、テロに立ち上がって抗議した少年は……。」
あたしの青春返してよ (by とびげりさん) 「憎しみの連鎖」

[その後の追加トラックバック - 「テロ」という言葉の使い方を問題にされているみなさん、「戦争」の犯罪性を問題視するみなさん]
=社説は語る= (by ko-bar-berさん) 「ウズベキスタン暴動を武力制圧」
浮世風呂 (by rakurakuonsenさん) 「ウズベクでの中露vs英米?:構図は簡単ではない」
designcafe-blog (by design-lifeさん) 「何が正しいのか。」
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by yoshihiroueda | 2004-09-10 01:38 | 平和への祈り | Comments(9)
Commented by heteheete at 2004-09-10 09:07 x
おはようございます。heteです。
トラックバックどうもありがとうございました。
『ロシア、海外の武装勢力拠点への先制攻撃を示唆』などという
ニュースを見て、ロシアもアメリカのように戦争を始める大義が出来て
喜んでいるように見えてしまい、恐ろしいです。

(私事で恐縮なのですが、今朝自分のブログにログインが出来ません。
yoshihirouedaさんはそんなことないですよね?)
Commented by yodaway2 at 2004-09-11 01:18
何が正義で、何が正義でないか……。それは拠って立つ国家、民族、宗教によって拘束を受けがちだと思います。しかも、その拠って立つものは、多くが生まれながらにして決まってしまっていることが少なくありません。子どもの頃……、私は戦争のニュースを聞くたびに、神様はとても意地が悪くて、人間が対立するように、対立するようにと世界をつくったのじゃないかと疑っていました。これからの時代、個人であっても国家のレベルであっても、生き残っていくだけでも、けっこう大変になっていくのかもしれません。人間に対して、ちょっと厳しすぎる感想になったかナ?
Commented by yoshihiroueda at 2004-09-12 04:42
★heteさん、返信が遅くなりました。強いロシア、拡大するロシアはロシア国民が望んでいることで、暗澹たる気持ちになります。でも外にまで出て行く体力あるのかな。
Commented by yoshihiroueda at 2004-09-12 04:47
★yodaway2さん、返信が遅くなりました。価値観の違いはありますが、共通の価値観として人命、人権、幸福というのがあると思いますし、どの文化であってもそこを認識しなければならないと思います。そしてその次に、それ以外は寛容であることが共通の価値観であってもらいたいものです。
Commented by rakurakuonsen at 2005-05-19 23:42
こんばんは。コメント&トラバ、ありがとうございました!
僕の記事を追加していただいたんですね。感謝感謝です。
yodaway2さんへのコメントのなかで
>寛容であることが共通の価値観であってもらいたい
とおっしゃってますよね。
「あぁ、揺らいでいるのはそこかも。」と感じました。まだ、うまくはいえないんですが・・・
じっくり考えていくと、哲学や倫理学の領域に行きそうなテーマですね。(僕は、あまり得意じゃないんですが・・・)
落ち着いて考えてみたいですね。
Commented at 2005-05-19 23:50
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yoshihiroueda at 2005-05-21 14:18
★rakurakuonsenさん、
アメリカの「民主主義の輸出」、コンセプト自体は崇高だと思いますが、手段や本音はちゃんと見据えないといけないと思っています。キーは、その国の人々にとって本当の幸せはなにかということかなと思います。
Commented by soliton_xyz at 2005-06-11 18:24 x
「テロに対する戦争」というのは、実のところ、アメリカを統合し強化するために必要な「神話」だそうです。
Commented by yoshihiroueda at 2005-06-11 22:06
★soliton_xyzさん、「テロに対する戦争」って、9.11以降ナショナリズムの強化に使われましたね。びっくりするくらい言論の自由もなくなって、太平洋戦争時の日本みたいと思いました。中国の反日デモ・暴動も同じようなものなんでしょうね。
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