著作権の話(3) 他人の権利を尊重する
こんばんは。小林亜星です(ウソ)。

今回は他人の権利(著作権)を尊重するということについて。これって実はブログではそんなに難しいことではありません。自分で書いたテキストと自分で撮った写真、自分で書いたイラスト/絵だけで構成すれば問題はありません(補足・訂正があります)。

だけどそれではちょっと寂しいですね。自分の主張だけ書きっぱなしでは発展がありません。また、書きたいことが自分の心の中とか、生活から出しているだけでは、そのうち書くことが枯渇してくるのではないでしょうか。そこで、新聞や雑誌の記事を題材にして意見を書いたり、他のブログに反論したりします。このときに使われるのが「引用」です。

引用は、「この人はXXXといっています。それに対して私は...」とか、「○○新聞によるとXXX。この事件私はこう思います。...」というスタイルで使われるXXXの部分です。こう考えると難しくないですね。自分では、他人の意見と自分の意見は明確に分かれますよね。たとえ同じまたは同じような意見であったとしても、私の意見はこの人の意見とたまたま同じと認識しているわけで、私の意見をその人がしゃべっている訳でもないし、私がその人の意見を話そうとしている訳でもありません。

よく「無断引用禁止」とか書いてあるサイトがありますね。これは誤解に基づくものです。検索してみると既に解説記事もあって私が付け足すまでもないのですが、引用は無断でやるものなんです。 著作権法の第三十二条に
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
と書いてあって、「公正な慣行」、「正当な範囲内」の部分は法律には書いてありません。それも難しいことではありません。

・出所を明示すること: 「誰が」、「どこで」言っていることか示す。「どこで」はWeb(ブログ)の場合はリンクでもOKです。「誰が」はブログの場合ユーザIDでも、ブログタイトルやその人が名乗っている名前でもよいでしょう。

・自分の主張部分が主で、引用する量は最低限: 引用元のテキストをまるごとコピーして、最後に「私もそう思います」というのはいただけません。悪い例はここ。最低限の量とは言っても、背景を説明しなければ分からないと思う場合は背景の部分も引用して良いと思います。

ときどき「XXX新聞のコラムで無断引用」なんてニュースが出ますが、この間違いはお分かりでしょう。これらは
たいがい「盗作」ですから。残念!!
出所なんて書いてませんから、読者にとってはそのコラムを書いた人の意見だと思う訳ですね。なんで「盗作」と言わないかというと、仲間同士のなれあいなんじゃないかと勘ぐってしまいます。

テキスト同様、写真や図も引用できるはずなんですが、ここはちょっと問題が複雑になります。写真など一枚で一つの作品になるので、まるごとコピーしていることになってしまうのです。それでは一部だけ切り取って提示するのは良いかというと、著作者人格権の同一性保持権を侵害する可能性があるのです。芸術作品としての写真は構図までぎりぎり考えて作品としていますから、勝手なトリミングは著者の意図を無視することになりかねません。テレビのアスペクト比は映画館と違うので、映画をテレビ放送する時にトリミングが必要になりますが、大島渚だったか(記憶があいまいで申し訳あいません)批判していたような気がします。

という訳で、私も写真を引用するときもありますが、芸術性の少ないもの(というとまた語弊がありますが)にとどめることを意識しています。ジャケット等芸術性が高いものなどは、ライフログを使うようにしています。これはエキサイトがそうできるような機能を提供しているので許諾がなされているか適正使用の範囲と考えられているものだと理解しています。

写真に関してはもう一点注意事項があります。それは肖像権、プライバシーの問題です。肖像権は肖像権法と言うような法律がある訳でなく、判例によって確立されてきたものです。ですので、私はここまでは良いと言うような説明ができません。日本音楽事業者協会がSTOP!肖像権侵害というキャンペーンを行っていますから見て下さい。

他人の権利を尊重するなんて簡単簡単といいながら誘い込んでおいて、だんだんあいまいなところまで引きずり込んできました。実はまだ、問題がいろいろあります。
・マンガだと数コマ抽出するだけでは適正な引用範囲であるはずだが、許諾を求められる。夏目房之介氏が問題提起しています。
・マンガ等で、キャラクターが鼻歌を歌っていて歌詞が1フレーズでもはいるとJASRACに許諾を得る必要がある。Webでも言ってくる可能性があると思います。
・ミッキーマウスの書かれたトレーナーなんか着て写真に映ったりしたらどうなのかな。ディズニーが文句を言ってこないか心配です。

なにか分かったら記事にするかもしれません。今日はこのへんで。

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KOBECCOさん 「著作権でなにもできなくなる。」
  -- ここでは適正利用に関して議論されています。教育機関、私的利用の範囲など。
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by yoshihiroueda | 2004-11-20 01:58 | カルチャー
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