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絵から心理が読めるのか
...という記事が、先にも紹介した日経BizTech No. 010にありました。パオロ・マッツァリーノさんの「日経よく読まない人」という連載コラムです。

こんにちは。ムンクの「叫び」のモデルです(ウソ)。

このコラムで知ったのですが、
こどもが書いた絵を見れば、心の状態や健康状態を把握できるとする理論の解説書は、思いのほかたくさん存在します。
だそうです。その先駆けのひとつが浅利式。

「浅利式 絵画診断事典」

上記リンクから引用:
子供の描いた絵に信号が出る

兄弟ゲンカや子供の怒りが絵に表れる
体の苦痛や病気が絵に表れる
子供の愛情要求が絵に表れる
怪獣の絵に秘められたものとは?
葉っぱのない花の絵の意味は子供が絵の中に描いたキリンの意味は?
幽霊ばかり描くのは?
ロボットの絵ばかり書くのは
迷路ばかり書くのは
火や火事の絵が多いわけは
子供が「予知絵」を描く
丸い顔が描けない子供の問題点とは?
——など沢山の具体的事例から学べます。
確かに青少年による犯罪があると、加害者の絵や卒業文集が引っ張りだされ、それだけを見ると確かに異常とも思えるのですが、この本では、何でもわかるという勢い。

この本で解説している「さまざまな色の意味」も上記サイトに載っています。
白: 警戒心、失敗感
黒: 恐怖心、母の抑圧
赤: 不満、非難、攻撃、健康、興奮、活動的
黄: 愛情要求、耳鼻疾患、変声
黄土: 劣等感
緑: 虚弱、疲労、悲哀、偏食
紫: 疾病障害、後遺症(その心理的影響)
マッツァリーノさんは、
要するに何色で描いても心に異常が発見される仕組みです。何も描かずに白紙で出すと、「白は警戒心の強さを表す」と判定されます。
と書いています。

50年前に「発見」されたと書かれていますが、この理論の根拠は、マッツァリーノさんによると、

・教員・小学校校長として長年子供の絵を見てきた経験と、統計的裏付け
・でもその統計は「七人中五人に当てはまった」程度
・例えば「手のひらに眼がある絵を描くのは中耳炎を患ったことがある子」
  → でも中耳炎はほとんどの子が一度はかかる病気。

そういう眼で上記「浅利式 絵画診断事典」のサイトを見るとおもしろいぞ。特に3ページ目。

マッツァリーノさんはまた、ちゃんとした学者が学問としてやっていることに対しても批判しています。心理学者の三沢直子さんは、20年以上にわたるテストで、「小学生の絵が幼稚化しており、それが学級崩壊や少年凶悪犯罪の頻発と関連がある」と分析しているそうなのですが、絵の幼稚化は子供が絵を描く時間が少なくなったからで、絵の描き方をちゃんと教えていないでそういう分析をすることも批判しています。

統計は、常に、その内容、それに対しての解釈を疑ってかかるべきものと思います。「ものは言いよう」になっていないかチェックする必要があるということです。

朝ご飯をちゃんととっているかということと成績の相関があることが示されたら、「成績の悪い子は朝ご飯を食べさせてもらえない」と言ってみよう

追記: ぶんさんの「紹介せずにはいられない記事」で紹介されていた記事紹介せずにはいられない記「黒いサンタ」を読んで、昔書いたこの記事を思い出しました。その紹介された記事をここでも引用しておきます。
 私の三男が幼稚園の時、他の園児の絵と描き方が違うので、家庭に問題があるのではないかと呼び出されました。そこには三十数人の園児がそれぞれに描いた可愛いサンタの絵がありました。
 その中で、息子の絵はおでことほっぺ、ひげの3カ所が黒いクレヨンで汚れていました。「上手に描けているなぁ。でも、黒いのは何かなぁ」と尋ねてみると、彼は得意満面で、「サンタさんは、えんとつから入ったから、すすがついていて黒いんだよ」。その言葉を聞いたとき、抱き上げて「よう描けたなぁ」と褒めてあげました。

by yoshihiroueda | 2005-12-11 11:33 | 教育
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